前号の続きです。
FFS診断を受け、私は次のような特性を持つ人であることが判明しました。
第一因子 受容性
第二因子 保全性
第三因子 弁別性
・柔軟で面倒見が良く、合理的に判断していくことができる。
・慎重で体系的に考えられる。
・経験値があれば、頼りがいのある人。
前号では、保全性の高い人に焦点を当ててお話ししましたので、それ以外の特徴的な因子についてご紹介します。
保全性の対照となる拡散性です。
拡散性の高い人の特徴として、ひとつのやり方が成功したとしても、そこに「真理に触れた」という手ごたえがなければ、「同じことはしたくない」とし、関係ない方向に進むことがあるといいます。
周囲から脈略がないと捉えられても、それは本人にとっては全く問題でない。
何となく興味を感じたという理由だけで、別の体験を求めていくのが、拡散性の高い人なのです。
私の第一因子である受容性は、程度の差はあれ、日本人では最も割合の高い因子であるとされています。
みなさんは、受容性と聞くと、どんな印象を持ちますか?
主体性のない、受け身の人、なんて解釈される人もいるかもしれません。
これは、随分うがった見方かもしれません。
受容性の強みを活かすと、大きなパワーを生みだすことが出来るのです。
受容性の高い人の特徴として、自分以外の誰かの夢を自分の夢にする傾向があるそうです。
本の中において、ある国家資格受験を支援している専門学校の経営者の話を紹介されていました。
この専門学校に来る生徒の目的は大きく次の3つに大別されます。
①資格取得する
②開業する
③困っている人の役に立ちたい
全体的な傾向を見ると、③の合格率が最も高いというのです。
本来目的は何であっても良いと思いますが、何のためにという目的意識が明確な程、それに向かう推進力が大きくなるのです。
“目的意識”というフレーズを目にした時、宇宙兄弟つながりでこんなエピソードを思い出しました。
アメリカのジョンソン大統領がNASA宇宙センターを訪れた時の有名なエピソードです。
文献によって細かな表現の違いがあるようですが、モップを片手に仕事をしていた清掃を見た大統領が、ふと声を掛けたというのです。
「君は、私が出会った中で最高の清掃員だ。」
すると清掃員はこう返したそうです。
「いいえ、私はただの清掃員ではありません。私はこの掃除をすることで、人類を月に送ることに貢献しているのです。」
「こんな清掃員が居るんだ・・・」と思わず唸ります。
強い目的意識を持つことは、ブレずに遠くまで飛べる。
“自分のため”よりも“誰かのため”のほうが力を発揮できる。
誰かの喜びを自分の喜びにすることができる。
受容性が高い人は、こんな素晴らしい特性を持つ傾向が強いのです。
さて、私がこの本の中で最も「なるほど!」と思ったことは、因子による学習スタイルの特徴についてでした。
因子によって、学び方、知識の習得方法について、それぞれ特徴があるのです。
・拡散性の高い人の学びの傾向
複数の円が重なる中央部分、「最大公約数」的な概念を求める。
細かいところは横に置いて、コアとなるところを理解すればいいという考え方です。
・保全性の高い人の学びの傾向
全てを網羅した全体図、「最小公倍数」的な体系を求める。
全体の整合性が取れて、説明できるようにという考え方です。
・凝集性の高い人の学びの傾向
自分なりの価値観やこだわりを持つため、権威性を求める。
尊敬できる人や書物から学ぼうとする考え方です。
・受容性の高い人の学びの傾向
全てを受け入れようとするため、学習スタイルにはこだわらない。
もちろん、全員が上記のようにスパッと分類されるわけでもなく、人によっては、複数の要素を持つことだってあるのかもしれません。
さて、現在漫画は12巻を読み終えたところですが、特に登場人物の生い立ち、性格、価値観について、良く作り込まれていると感心しています。
漫画を解説した古野さんのビジネス書では、漫画を面白くするのは、ストーリー以上に、キャラクターであると語られていました。
価値観が違ういろんなキャラクターが、いろんな場面で葛藤しつつも、対決または協力しながら成長していく。
それが漫画の醍醐味でもあると。
漫画としては、井上雄彦さんのスラムダンクに匹敵するくらいの面白さだと思います。
感動を伴いつつも深く考えさせられるといった点では、漫画歴代NO1かもしれません。
しかしながら、私が社会人になりたての頃に、何かの拍子でこの漫画を目にしたとしても、ここまで感動しなかったのではないか。
この漫画は、社会で実際に苦労した経験がある人が読むと、すごく実感できるように作られているように私は思うのです。
世の中は、いろんな性質の人間で構成されている。
自分から見て、良い面・良くない面、共通する点・相違する点。
自分とは違うことを理解し、相手の言動の意図、背景を慮りながら、対人関係を構築する。
この大切さを腹落ちさせるには、それなりの経験が必要だと思うのです。
私は、今のタイミングでこの本に出会えて本当に良かったと思っています。
最後に、私の息子に簡易版のWeb診断をさせました。
すると、こんな結果になりました。

まさに、ピッタリの表現です。
父親の私が言うのだから、間違いない。
この診断はかなりの精度であると実感しました。
「何ものにも縛られず、自由に生きたい。」
息子は、直接その言葉を発せずとも、日常の言動がそれを語っているのです。
息子にこの診断結果を伝え終えた時、こうつぶやきました。
「それって、一番良いの?」
実は、この質問に対するピッタリの答えが、古野さんの本の1ページ目に書いてあるのです。
「グーみたいな奴がいて、チョキみたいな奴がいて、パーみたいな奴もいる。
誰が一番強いか、答えを知っている奴 いるか?」
これは、漫画宇宙兄弟5巻のエピソードで、JAXA宇宙飛行士の選考試験現場にて、宇宙飛行士に相応しいメンバーをジャンケンで決めようと提案する主人公の南波六太の発言です。
息子に告げましたが、ピンとはきていなかったようです。
でも、息子は「どんな結果であろうと私はいい」と、思ってくれたのではないかと考えています。
実際の世の中には、スーパーマンは存在しない。
いろんな人が存在する。
それぞれの良い面を出せるように、自分を理解し、相手を理解し、それぞれのコミュニティーでみんなが活躍できる社会にしていく。
本当にポジティブな感覚にさせてくれるビジネス書、漫画です。
興味のある方は、どちらもお読みいただくことをお勧めします。
追伸
私が、ブログで何度も「なるほど!」を連呼しているのをお気づきになられた方はいらっしゃるでしょうか?
診断で出た私の口癖です。
確かに、よく言っています(笑)